【日本WHO協会NEWSでパプアニューギニア事業の保健ボランティアの活躍が紹介されました】

5月上旬に日本WHO協会の中村安秀理事長(HANDSシニアアドバイザー)が、短期専門家としてパプアニューギニアを訪問しました。
現地の保健ボランティア(村落保健アシスタント)の活躍を日本WHO協会NEWSで紹介してもらいましたのでご覧ください。

パプアニューギニア・エンガ州の村の集会に参加する筆者

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 日本WHO協会 NEWS
 2026年 6月 2日 (火)  配信 Vol.272 《発行部数6900部》
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5月上旬に、パプアニューギニア独立国において、NPO 法人 HANDS (Health and Development Service) が実施する JICA (国際協力機構) 草の根技術協力事業 (パートナー型)「山岳地域の母子保健サービス改善プロジェクト」の短期専門家として現地を訪問しました。

今回、私が訪問した山岳地域のエンガ州では、自分たちの健康を自分で守るというプライマリヘルスケア (PHC) の基本に立ち返り、新しい形のチャレンジが行われていました。 コミュニティ ・ エンパワーの研修を受けた村人に対して、4 週間の座学研修と 2 か月にわたる実地研修を実施することにより、村落保健ボランティアの育成を行いました。 遠隔地が多い山岳地域では、住民が暮らすコミュニティのなかに保健医療の研修を受けた人材がいることはとても大きな力となります。

新型コロナウイルス感染症で医療機関との往来が制限されたときも、保健ボランティアたちが自分たちで Tippy Tap (簡易手洗い装置) を作成し、感染予防に努めたそうです。 また、2024年 5月にエンガ州で起きた大規模な地滑りのときに、被災地近くの保健ボランティアが自発的に救助活動に参画し、行方不明者のリストを作成するなど保健行政職員と協働して支援活動に従事した活躍は首都の国際機関にも届いていました。

いまでは、村落保健アシスタント (Village Health Assistant : VHA) として、地域保健医療システムの一翼を担う存在になっています。 多くの VHA の方々は、研修を受けたことにより自分の行動や生きがいが変貌したと述懐し、現在の活動に誇りを持って取り組んでいました。 自分や家族の健康を守る予防ケアだけでなく、健康向上のための情報をコミュニティの仲間に提供し、地域に根差した健康増進活動をめざしていました。

確かに、パプアニューギニアは WHO 西太平洋地域事務局 (WPRO) 管内でも、最も保健医療指標の劣悪な国の一つであり、感染症対策や母子保健の改善が進む一方で、まだまだ医療アクセスの地域格差や医療人材不足が大きな課題となっています。 保健ボランティアたちが活躍する背景には、医療者不足という厳しい現実があるのも確かです。

ただ、いま日本WHO協会はJANPIA事業として「だれひとり取り残されない外国人医療」に取り組んでいます。 外国人住民が母語でアクセスできる情報提供を目指すとともに、外国人コミュニティの中から保健ボランティアを育成して、保健医療へのアクセスの改善を図る取り組みもあります。

日本国内の外国人の保健医療アクセスの課題と、パプアニューギニアの山岳地域住民の保健医療アクセスの課題。 社会経済状況も文化環境も大きく異なりますが、保健医療サービスをすべて医療者にお任せするのではなく、コミュニティの一員でもある保健ボランティアに着目するという点で共通点があることが非常に興味深いです。

私が 2 年すごしたインドネシアでは、村の保健ボランティアから多くのことを学びました。 タイでは、コロナ禍の村で発熱患者のスクリーニングをしたのは、保健ボランティアでした。

今後、日本も含めて世界各地の保健ボランティアの活動に注目していきたいです。

                    公益社団法人 日本WHO協会
                       理事長 中村 安秀
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