ケニア

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2022会員総会ケニア(クリックすると資料が開きます)

地域レベルで住民の健康問題に取り組むケニア。
その重要な担い手である、住民から選ばれた「命を守る主役たち」
保健ボランティア(CHV)の毎日の積み重ねを支援します。

ケニアの母子の健康状況ケニアでは、14人に1人は5歳を前に命をおとしてしまいます。道路も水道も電気も通らない活動地では、7割のお母さんが自宅で出産。母子に何かあっても助けられる医療サービスは届きません。川の水をそのまま飲み、トイレも無く手洗いもせず手で食事をするなどの生活習慣は、下痢症など防げるはずの感染症を引き起こし、幼い子どもが命を落とす危険にさらされています。

※「ケニア保健政策2012-2030」(2005)によると、国民の死因は、HIV/AIDS(29.3%)、周産期の要因(9%)、呼吸器感染症(8.1%)、結核(6.3%)、下痢症(6.0%)、マラリア(5.8%)。感染症で死亡する割合が64%とであり、住民の健康知識の向上と実践、衛生環境の整備などで十分に防ぐことができるとして、ケニア保健省はコミュニティレベルでの問題解決を重視しています。

おもな活動

地域の健康を守る村人をそだてる

地域の健康を守る村人保健ボランティアとよばれる村の住民から選ばれた代表が、病気を予防するための知識を学ぶトレーニングを受けます。彼らは村の中で知識の普及につとめ、毎月の家庭訪問で担当地域の健康状態を把握します。医療者ではなく、同じ村に住む隣人としての立場から、村人が生活の中で行動を変えていけるよう支援します。

 

健康改善にとりくむコミュニティをそだてる

健康改善に取り組むコミュニティ村の人に病気や危険が発生したとき、保健ボランティアが診療所への橋渡しができるよう、村と医療サービスを結ぶ役割を果たせるよう支援しています。人々の生活習慣に問題点があれば、保健ボランティアが村の人たちを巻き込み、病気や危険を未然に防ぐアクションをおこしています。

 

行政機関や地元の保健師、看護師の能力を向上させる

地元の人材を育てる保健ボランティアが活動を継続していけるように、彼らを監督するスーパーバイザーとなる地元の保健師や看護師の能力強化に努めています。また、保健ボランティアの活動を通じて明らかになった問題点をどのように解決していくか、県行政とともに計画を立案、その実行を支援しています。診療所の無い地域では、看護師と簡易医療サービスを届ける移動診療をおこなっています。

 

これまでの実績

2年間の家庭訪問と啓発の成果

家庭訪問の成果のグラフ2012年2月と2013年11月に調査を実施しました。保健ボランティアの地道な取り組みが実をむすび、2年間で村の住民たちの保健基本知識や意識、行動に良い変化が見られています。

妊産婦や子どもの健康に関する基本知識が向上し、3割以下だった自宅トイレ設置は4割を越えました。地域にとって保健ボランティアの存在価値はますます大きくなっています。

村人たちの変化

エラスト・ロティッチさん
(保健師/保健ボランティア スーパーバイザ―)

 

エラスト・ロティッチさん私はケリチョー県保健局の保健師です。一番大切な役目は相談役で、彼らが地域の人たちと接するなかで出てくる悩みを聞き、アドバイスをおこなうことです。保健ボランティアの役割は、診療所から遠く離れている地域で、病気予防の保健知識や情報を住民たちへ伝えることです。また家庭訪問を通じて健康状態を把握し、必要に応じて医療サービスへの懸け橋役も担います。地域の財産はそこに生活している人たちです。自分たちの健康を自分たちで守ることができるようになれば、子どもたちもすくすく育ち、その子どもたちが将来この国を担うリーダーになっていく希望があります。

ケニアの保健指標

プロジェクト基本情報

公益財団法人テルモ生命科学芸術財団「ケニア 住民によりそう保健ボランティア能力強化事業」(2017~2019年)

公益財団法人味の素ファンデーション「ケニアのコミュニティで育む幼児の成長および栄養改善事業」(2017~2020年)

公益財団法人日本国際協力財団「ケニア農村部における乳幼児の栄養改善・健康増進プロジェクト」(2017~2020年)

トヨタ環境活動助成プログラム「ケニア国ケリチョー郡半乾燥地域の小学校とコミュニティでのアグロフォレストリー普及」(2019~2020年)

外務省日本NGO連携無償資金協力「ケリチョー郡ECDEセンターを中心としたコミュニティによる幼児の栄養改善事業」(2019~2022年)

活動期間 2005年~
活動地 ケニア南西部 ケリチョー州(首都ナイロビから約263㎞・車で5時間)
ケリチョー県(2005年~)・ベルグット県(2014年~)
活動の対象
(受益者)
ケリチョー州保健局、ケリチョー県とベルグット県の保健医療関係者約50名、
コミュニティ・ヘルス・ボランティア250名
最終的なひ益者 ケリチョー県、ベルグット県の対象地区の住民 19,300名
スタッフ数 現地事務所 6名(HANDS 2名、ローカルスタッフ4名)、 国内 1名
おもな事業資金 JICA提案型技術協力事業「ケニア西部地域保健医療サービス向上プロジェクト」(2005-2008年)

JICA草の根技術協力事業「ケリチョー県母乳育児に焦点を当てた母子保健サービス向上プロジェクト」(2009-2011年)

JICA草の根技術協力事業「コミュニティ・ヘルス・ワーカーによる遠隔地での母子保健サービス向上プロジェクト」(2012-2014年)

外務省日本NGO連携無償資金協力「ヘルスケア・システムの強化を通じたコミュニティの健康向上プロジェクト」(2014~2016年)

国情報

ケニア地図

国面積 約58万㎢ 日本の約1.5倍
国人口 4,318万人(2012年:世銀)
日本の約3分の1(2012年:世銀)
言語(公用語) スワヒリ語、英語
活動地域のローカル語:キプシギス語
宗教 伝統宗教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教など
おもな産業 GDPの約25%が農業で、労働人口の約60%が農業に従事(コーヒー、茶、園芸作物、サイザル麻、綿花、とうもろこし、除虫菊など)

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