ケニア事業:生物多様性事業をさらに普及する為に… 「生物多様性を保全しながら学び、育て、販売する」研修を終えて

HANDSケニア事務所で生物多様性事業のインターンをしている中島晴子です。今日は9月から11月にかけて行った2つの講師研修について私の目線からご報告です。

9月に生物多様性事業を対象地域にさらに普及する際のスキルを参考にするため、JICAのSHEP(Smallholder Horticulture Empowerment & Promotionの略称で、「小規模園芸農家支援・振興」)の講師研修に、HANDSのスタッフとともに、生物多様性インターンとして参加しました。
 私達はしっかり4日間の研修を受講し、その後私たちHANDSの生物多様性チームで事業対象地域の人達にどのように伝えていくか、チームみんなで何度も話し合いました。私達の会議で中心になったのは、「自然環境に配慮しながら、どのように地域の人達の所得向上ができるのか?」また、「地域の生物多様性を守るために、地域の伝統作物や自生作物をより普及するための栽培や販売方法」、はもちろん、「先人が培ってきた伝統知や持続的な伝統農法(手作り堆肥や動植物との共存)のすばらしさを思い出し、学びなおす機会とする!」ということです。
 チーム内で、担当の研修内容を分担して、何度も再考を重ね資料を作成。HANDSスタッフによる講義の予行練習も行い、いざ当日へ。

 今回の研修は、生物多様性事業の対象グループの代表たち。当日交通機関も整っていない場所から、全員時間通りに研修会場まで来て、4.5日間の研修を誰もリタイアせずに参加できたことが本当に素晴らしく嬉しく思いました。
この研修は、まず、地球環境と私達の生活が、様々な場面でどのように自然と関わりながら生活をしているかを分類することから始めました。私達人間は、地球にある資源を動植物と分け合って使わせてもらっている事の重要性を、参加者たちで再認識しました。例えば、村で子供がおたふく風邪にかかったときに行う伝統的な儀式が、ある自生樹木と深く結びついていることなど、ケニアの自然と人間のつながりを物語る口伝には、とても興味深かったです。
 その後は、SHEP研修(マーケティング、市場調査・作物の選定、作物栽培カレンダーの作成)を行い、こちらも中身の濃い時間となりました。

 最終日には修了証書を授与。みんないい顔!
参加者の一人から、『年を重ねても勉強できるなんて学生に戻ったみたいだわ。』と嬉しい感想もいただきました。雨季で雨が降った時の会場移動やその他問題にも臨機応変に対応していた、HANDSスタッフにも拍手の一週間でした。

 この研修で学んだことをが、今後どのように地域で活かされるか、モニターしていくのも楽しみです。