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2001年度
神谷保彦(かみや やすひこ)

1996-2001 リバプール大学熱帯医学校熱帯小児医学講座博士課程修了
1995 リバプール大学熱帯医学校熱帯小児科医学修士コース修了
1999-2000 ガーナJICA感染症プロジェクトチーフアドバイザー
1996-1998 ケニアJICA感染症プロジェクト専門家
1997.6-1997.8 セルビアJEN-UNHCR医療プロジェクト医師
1996.1-1996.5 AMDAルワンダ難民キャンプ医師

フィリピンでのフィールド活動

私は、岩村フェローとして2001年7月から活動を開始しました。最初の1ヶ月、ボストンのMSH本部でオリエンテーションを受けました。MSHは世界の多くの地域で様々な分野で協力しているため、フィールドサイトの選択の幅は広く、ヘルスマネジメントの現場経験が豊富な様々な分野の専門家と話合うことができ、当初から密度の濃い研修になり、その後の活動にスムーズに移行できました。

8月から、MSHが技術支援しているUSAID援助のフィリピンの家族計画・母子保健プログラムに、MSHフィリピンのフィールドメンターのアドバイスを受けながら参加し、研修しています。
このプログラムには、国内100以上の地方自治体が参加し、具体的な目標を、子どもの予防接種とビタミンA補給、妊婦への破傷風予防接種、近代的避妊法のカバー率の向上に置いています。さらに、各自治体の保健サービスをセルフチェックリストで評価し、質を高めていく活動も平行して実施されています。

フィールドサイトの状況

私は、ネグロス島の西ネグロス州の州保健局に配属になっています。同州は、さとうきびの大農園が農地の半分以上を占め、過去、飢饉、革命運動を経験しているが、今もなお農地改革が進まず、多くの人が季節労働者など、経済的に貧困な層にとどまっています。

地域保健サービスは、地方分権化によって各自治体間に大きな格差が生じ、バランガイヘルスワーカー(BHW)の過重な活動、薬やワクチンの供給の不安定化がみられ、保険制度も不十分で貧困層に悪影響を与えています。公立病院で本来、無料である薬の在庫がなくなることがあり、そのような時に限って収入が途絶えた季節労働者の家庭の子どもが栄養失調や肺炎で入院したりします。薬代にお金がかかり生活が一層困窮し、病気により罹りやすくなってしまうのです。

同州では、16の市・郡がプログラムに参加し、昨年は、各市・郡の保健局が現状調査を行い、それを元に、MSHフィリピンのスタッフがファシリテーターとしてワークショップを開催し、各自が地域の問題点に合わせた活動計画を作成しました。

BHWが家庭訪問で予防接種歴や避妊法を聞くのに同行して、たどたどしいイロンゴ語で私も話を聞きましたが、現地の人が15分で終わる所を1時間もかかり、迷惑をかけてしまいました。

ある郡で新生児破傷風が多いことが明らかになると、妊婦への破傷風予防接種率、伝統的産婆(TBA)の介助による家庭分娩など原因を探り、その改善策として、予防接種率を上げるためのアウトリーチ、TBAへのトレーニングや清潔器具の配布などの活動を盛り込みました。MSHスタッフが参加者の能力を引き出す方法など学ぶ所は多いですが、自分が実際やってみると上手く行かず、経験やコミュニケーション能力不足を痛感しています。

現在の活動

現在は、各市・郡の活動のモニタリングに関わり、島内を回り、活動の進行度や問題点、他の活動との兼ね合いなどを話し合っています。村のヘルスポストへジプニー(乗り合いバス)を乗り継ぎ、川や棚田を横切り、行き着くまでにバテてしまいますが、どこに行っても笑顔とココナッツジュースやお菓子の暖かいもてなしを受けて、元気が回復します。

また、水質調査や小児科の診療、精管結索の手術を手伝ったり、最近立ち上がった州内の疾患サーベイランスシステムに関わっています。外回り以外の時は、州保健局で保健婦と机を並べて日常業務に参加し、私が理解できるまで親切に教えてもらっています。

MSHから学ぶもの

MSH本部では、全体的な戦略の明確性や充実したサポート体制を、プログラムフィールドでは、マネジメントのツール作りや、明確な目標値の設定と現場の裁量に大きく任せる所をバランス良く取っている点など、また、日常の地域保健業務では、現地のスタッフとの経験の共有と、様々な側面から保健活動や援助協力を学び、考えさせられることが多いです。

国際協力も含めた途上国での保健サービスシステムは、限られた資源と過剰な介入が混在したなかで、様々なレベルでの健康の格差を埋めるべく、再分配として遂行されますが、その強化は、効率化・公平化を促進する一方で、同時にまた、援助、行政側の権限強化や別の格差を再生産してしまいます。それが避けられるかどうか、援助協力や保健サービスのパラダイムを見つめ直したいと、今後の抱負として思っています。


※この記事は2001年当時に書かれたものです。


歴代岩村フェローリスト
2002年
・末廣有紀(すえひろゆうき)
・近藤優子(こんどうゆうこ)
2001年
・神谷保彦(かみややすひこ)
・佐藤美穂(さとうみほ)
2000年
・和田知代(わだともよ)
1999年
・平林国彦(ひらばやしくにひこ)
1998年
・堀越洋一(ほりこしよういち)
1996年
・藤田雅美(ふじたまさみ)


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