JICAインドネシアカウンターパート研修−母子健康手帳の活用−
2007年3月(JICA)

背景

 国際協力機構は、1998年から2003年にかけて実施された「母子健康手帳プロジェクト」の第2フェーズという位置づけのもと、2006年10月より「母子手帳による母子保健サービス向上プロジェクト」を開始しました。同プロジェクトは、「多様な母子保健サービスを統合するツールとしての母子手帳の利用が、保健サービス制度の一貫として確実に位置づけられ、継続性を確保すること」を目的としています。特に、2006年度は、プロジェクト開始1年目であり、病院とプライベートセクターでの母子健康手帳利用の量と質の向上を重点課題として位置付けています。インドネシアの病院およびプライベートセクターの第一線で活動する専門家が日本で研修を受けることで、インドネシアの各々のセクターにおける母子健康手帳の活用法、母子健康手帳を利用した母子保健医療向上への貢献を中心に、明確かつ具体的な活動計画を立案することが望まれます。また、帰国後には、職種や機関を横断する形の協働やネットワークが構築されることが期待されます。

  本研修の特徴

 2006年度インドネシアカウンターパート研修「母子健康手帳の活用」は、2007年3月6日から13日にかけて、JICA大阪国際センターを中心に実施されました。研修員は初日に、日本の母子保健活動における母子健康手帳の役割と係る政策の変遷および現状に関する講義を受けた後、神戸市内の関係機関(林産婦人科医院、兵庫県立こども病院、パルモア病院、伊丹市保健センター、神戸市総合療育センター、神戸大学)及び東京の関係機関(厚生労働省母子保健課、国立教育センター)を視察しました。研修員は、それらの講義・視察を通じて、母子保健手帳の配付・普及に関する戦略を理解するとともに、母子保健サービスの中心となっている市町村における様々なサービスの現状や専門職団体の取り組みを把握し、母子健康手帳プログラムおよび各活動の連携の重要性を認識しました。

 
また、研修期間中、研修員は職種別のグループに分かれて、帰国後に実施可能な母子健康手帳に関するアクションプランの作成に取り組みました。それにより、今後それぞれの研修員がインドネシアにおいて実践する活動内容やそのスケジュール、母子健康手帳の効果的な普及に当たっての戦略や取り組むべき課題などが明確になりました。

  研修の成果

 本研修においては、次の4つの目的が設定されていました:1) 日本の母子保健政策や母子保健手帳の利用現場の状況を理解する、2) 母子健康手帳を取り巻く、地域保健の制度および専門職団体の取り組みを理解する、3) 日本の母子健康手帳の配付・普及の戦略と手法を理解する、4) 以上3項目の習得を踏まえ、インドネシア全国における母子健康手帳のより効果的な活用に関するアクションプランを作成する。最終日に集計したアンケート結果から、講義や講義を通じてそれらの目標を十分達成できたことが分かります。

 研修員たちは、8日間の研修を終えて、一度には消化しきれない程の知識と経験を吸収し、興奮の中、帰国していきました。帰国後、彼らは母子健康手帳を活用して、母子保健の向上に邁進していると聞いています。この研修が「母子手帳による母子保健サービス向上プロジェクト」に貢献すると共に、インドネシアの母子保健の向上に役立つことを願って止みません。また、HANDSとしても、これまでの研修受け入れの経験から学び、今後少しでもよい研修を実施していけるよう努力していきます。


<研修の様子>

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