JICA国別特設研修−インドネシアにおける母子保健−
2003年2月〜3月、8月〜9月、2004年8月〜9月(JICA)

1994年からインドネシア保健省とJICAにより導入された母子手帳プログラムは、インドネシア地方自治体の母子保健システムの中心に組み込まれています。母子手帳の活用は、医療従事者の知識・技術、及び母親の健康に関する知識の双方を向上させ、母子保健状況の改善をもたらすことが期待されています。また1998年から始まった「JICA母と子の健康手帳プロジェクト」の活動は、2002年末までに、全国342の県/市のうち、157の県/市をカバーしており、今後の導入を計画している自治体も数多く見られます。

しかし、財政的・時間的制限のために、すべての自治体をプロジェクトの対象地域とすることは難しいため、母子手帳プログラムを自助努力により行い得るインドネシア側自治体を育成する努力が必要と考えられました。そこで、地方自治体の政策決定レベルにある人材に日本の母子保健政策や母子手帳の利用現場を知ってもらうことで、母子手帳普及を効率的に進めてもらうために、JICAによる研修を日本で行うことになりました。HANDSはこの研修の受託実施機関として、講師や訪問機関の手配、研修受け入れ先の調整、教材の作成などを行いました。

  母子保健の改善のために
 本研修への参加者は、インドネシアの州や県/市の地方自治体等で母子手帳プログラムを推進する指導的立場にある人材という基準で募集、選考されました。本年度は医師6名、助産師1名の参加を得ました。研修は25日間の日程で行われ、「1. 日本の母子保健及び医療保険制度の理解」「2. 保健行政や医療現場での母子手帳の役割の理解」「3. 地方自治体による行政サービスの現状把握と母子手帳プログラムの理解」「4. 第1次医療施設と地域保健サービスの連携や政策決定過程の理解」などをテーマに、講義や、省庁、地方自治体、病院の視察などが行われました。HANDSは研修全体の統括や講師として研修期間中同行し、研修の円滑な実施に努めました。

  研修の成果
 本研修では、既述の14のテーマが概ね達成されるという成果を得ました。研修最終日に行われた評価会では、母子手帳プログラムをインドネシア各地域で継続実施させるために、今回日本で学んだ、「広報の充実」「法的根拠の整備」「保健委員会の設立」「リファラル制度の強化」「地域保健の質的向上」「母子手帳内容の再検討」などを推進していきたい旨が参加者により表明されました。

  今後に向けて
 HANDSというNPOへの研修委託はJICAとしては初めての試みでしたが、HANDSがインドネシアと日本の双方の母子保健に精通していたことなどにより、有意義な研修が実現されたとの評価を得ています。今後もHANDSはインドネシアの母子保健状況の更なる改善に寄与していきたいと考えております。

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