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HANDSの活動
ブラジル

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<2007年2月〜2010年12月>

実験/調査
まず、活動のための助成金などを受ける前に小規模な調査と実験を実施し、アグロフォレスレストリーの導入がマニコレの状況に対して妥当であるかどうかの検討を行いました。その結果、土質、気候、植生などの自然条件、マーケット、農民の意欲などをから考えてマニコレでのアグロフォレストリー導入は可能であり、また現地の人々の生活、ひいては健康状態を良くすることができると考え、徐々に助成金を使っての活動を拡大させました。
2007年2月 アマパ州におけるJICA氾濫原持続開発プロジェクト視察


アマパ州で苗づくりを指導しているJICA専門家

定森プロジェクト・マネージャーが、JICAがアマゾン東部のアマパ州で実施していた氾濫原持続開発プロジェクトを視察。プロジェクトで実施していたアグロフォレストリー導入方法について学んできました。

2007年3月〜現在(継続) マニコレ市街地近郊農地での混植実験
定森プロジェクト・マネージャーがアグロフォレストリーの導入実験をしました。 この実験では、焼畑でキャッサバ芋のみを植えていた農地(マニコレで一般的な農地)に果樹などの苗を植えていき、混植がうまくいくか試しました。
結果、キャッサバ芋は全く問題なく収穫でき、通常であればキャッサバ芋の収穫後放棄される農地に果樹/材木用樹などが成長していきました。これは成長の早いキャッサバが、乾季の間、厳しい太陽や風からまだ小さな苗を守ってくれたためです。
2011年現在、果樹はまだ実をつけていませんが、材木用樹は根元部分で直径20センチ、高さ10メートルに達しているものもあります。この材木用樹は種から貴重な薬用油がとれるため、数年後には薬用油からの収入も得られる見込みです。 この農地のオーナーは、当初は「そんなキャッサバ芋と他の物を一緒に植えるなんて聞いたこともない。そんな事したら芋が取れなくなるかもしれないからダメ!」と言っていたのですが、実際にやってみたらうまく行ったのを見て、積極的にアグロフォレストリー導入を手伝ってくれるようになりました。「百聞は一見に如かず」です。


実り始めたコメ(陸稲)
実験農地(2010年1月)

2010年9月に新たに作った実験農地。キャッサバ芋、トウモロコシ、コメ、パパイヤ、カカオ、薬用樹などを混植。特に資金のない農民が当座の食料をより多く作りながら中長期に収穫の得られる果樹、薬用樹などを植える方法を試験した。写真は2010年12月で、この時点ですでにトウモロコシは収穫がされ始めていた。
2008年7月 トメアスーの先進的日系農家の小長野氏によるマニコレ農村部調査

マニコレ市農村部訪問調査
アグロフォレストリーの先進地域であるアマゾン東部トメアスー市の小長野氏にいらしていただき、マニコレ市農村部の植生、農業状況、土壌などに関して検討して頂きました。その結果、マニコレ市農村部はアグロフォレストリー導入に適しているとの結果を得て、興味を持ってくれた農民らとともに本格的にアグロフォレストリー普及活動を推進していくこととなりました。
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研修/セミナー

マニコレ農村部では、先住民からの伝統で家の周りにさまざまな有用植物(果樹や薬用樹など)を植えて無意識に「アグロフォレストリー」をしている農民が多かったのですが、「農地」のこととなると「農業というのはキャッサバ芋ならキャッサバ芋、バナナならバナナだけを植えること」と思いこんでいました。

「百聞は一見に如かず」はブラジルの農村でも同じです。このプロジェクトでは実際に農民にアグロフォレストリーができている「現場」を見せることで、農民が「ああこれなら自分たちでもできる」と思えることを重要と考えています。そのためアグロフォレストリー先進地であるアマゾン東部のトメアスー市や州都マナウスのCEPLAC(連邦政府農業省傘下カカオ院)試験農場などへ農民を派遣し実地研修をおこなってきました。また、トメアスーの実践農家の方や、研修にいって実践を始めた農民によるセミナーも開催しています。同じブラジル人、間にこれ住民の体験談は、参加者の関心をより高めます。

2008年7月 第1回アグロフォレストリーセミナー


市街地での農民向けセミナー

農村部の各村での農民向けセミナー


剪定などに技術を指導する小長野氏と熱心に見入る農民

トメアスー市の先進的日系農家である小長野氏にいらして頂き、農村部の多くの村々と市街地でセミナーを開催し、農民にアグロフォレストリー実践について語って頂きました。実践者としての説得力があり、多くの農民がアグロフォレストリーに対して深く興味を持ちました。

2008年8月 第1回派遣研修(トメアスー市)

カカオの発酵実習。左はマニコレの農民、右は指導をしてくれたトメアスーの大規模農場スタッフ

農民1名、HANDS現地スタッフ1名、日本人プロジェクトマネージャー1名の計3名で試験的にトメアスーでの約2週間の研修をおこないました。
研修では

  • 苗づくり
  • アグロフォレストリーでの作物の組み合わせと配置
  • カカオの発酵
  • 自然物を使った施肥と農薬代替物
  • 剪定
  • カカオの天狗巣病コントロール
など多くの事を学ぶことができ、また次回以降の研修を行うための参考となりました。
2009年5月 第2回派遣研修(トメアスー市)

第2回研修団、トメアスー農協前で

第2回は現地で協力関係にあるNGO、マニコレ市の農協、連邦政府機関の協力も得て、マニコレ市と近隣のノボアリプアナン市農民、NGOの農業技術者、農協幹部など計12名を派遣しました。

これに協力してくれたNGO、農協、連邦政府機関は大変興味を持ち、この研修の費用の一部を負担してくれました。その後も協力関係を続いています。
2009年8月 第3回派遣研修(トメアスー市)

第3回研修団、お世話になった小長野さん宅で

苗づくりの実習

カカオ発酵実習
第3回は計9名を派遣しました。ほとんど村の外に出たことのない農民が多かったため、空港、飛行機、ホテルなどでびっくりすることの多い珍道中となりましたが、農民同士やHANDSスタッフが非常に親しくなる機会となりました。その後もこの同期生同士のつながりは強いものとなりました。 なお、これら一連の研修に派遣した農民は、熱心でリーダー的な農民をHANDS側で選び、村の人とも相談したうえで選定していきました。村の人々に全てまかせることも考えたのですが、そうすると「いっつも研修があると出てくる、割と年輩の村の有力者」ばかりになってしまうことが多いため、基本的にはHANDS側で選定しました。
2010年8月 第4回派遣研修(カカオ院マナウス試験農場)

カカオ院マナウス試験農場で。 カカオ院アマゾナス事務所長も熱心に協力してくれた。

アグロフォレストリーに関する説明をするカカオ院スタッフ

キャッサバ芋と他の作物の混作を説明するカカオ院スタッフと農民
第4回派遣研修は関係を強化しつつあったCEPLACのマナウス試験農場で14名が参加して実施しました。カカオ院はこれまで自治体などの農業指導員へのトレーニングしか行ったことがなく、まとまった数の農民に対し直接トレーニングを行ったのは初めてでしたが、非常に良い研修になりました。その後カカオ院とHANDSとの協力関係はさらに深まり、2012年からは正式にパートナーとなってJICA草の根技術協力プロジェクトを実施することにつながりました。
2010年9月第2回アグロフォレストリーセミナー

連邦/州/市行政機関関係者も参加しての開会式

パワーポイントを使って自分の実践を説明する農民


苗を使用してアグロフォレストリーの混植について説明するHANDS現地スタッフ

セミナーでおこなわれた、行政機関への農民からの要望をまとめるワークショップ

このセミナーでは、これまでの派遣研修に参加した農民たちが、それぞれのアグロフォレストリー導入実践について語り、それを他の農民や行政機関関係者に伝え、さらに活動を活発化することが目的でした。他市の農民、NGO、連邦/州/市の行政機関関係者も多く参加し、アグロフォレストリー導入が地域で確たるものとなってきているのが感じられるイベントとなりました。

またこれまで実践を積んできた農民が生まれて初めてコンピュータを使い、プレゼンの資料を作成し大勢の前で素晴らしい発表をできたことは、これらの農民の自信を深め、さらにやる気を保ってもらう重要な機会となりました。
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実地指導/農民技術交流会/資機材支援

このプロジェクトでの当面の目標は「モデル農場の設置」です。
実際にアグロフォレストリーをおこなっている農地を農民に見せるため派遣研修をするのは大変効果的なのですが、プロジェクトにとってのコストは高く、自分の農地の世話や家族の食料のための漁をしないといけない農民にとって1週間から2週間という時間をとるのは容易ではありません。

そのため、派遣研修に参加した農民の農地が「モデル農場」となり、近隣の農民が少ない負担で見に行けるようにするのは重要です。派遣研修に参加した農民の農地を中心に、各村を回ってアグロフォレストリー導入指導と必要な資機材の支援を行っています。
実地指導


カカオ剪定の実地指導

訪問指導をすると村人が魚を焼いてもてなしてくれる


きちんと距離を測ってさまざまな作物を規則的に植えた方がより農地を有効に活用できるが、多くの農民にとっては初めての経験

HANDSローカルスタッフが中心となって各村を回り、アグロフォレストリー導入のための指導をおこなってます。

農民技術交流会

農民技術交流会で、パッションフルーツの剪定を他の農民に教える女性ケケーさん。彼女の農地はパッションフルーツの生産が多くなって自由になる収入が増え大きな自信と誇りを持つようになった。

農民技術交流会でスイカの灌漑技術について説明する農協代表ヴァウテーさん。トメアスーの農協を視察し、マニコレにもトメアスーのような果汁冷凍工場を作ろうとしている

研修に参加した農民ハイムンジーニョさんが荒れていた自分のカカオ園を使って周辺農民を集めてカカオ剪定技術の勉強会をおこなった

近隣の農民にカカオの苗づくりについて説明する農民 フレッジソンさん

HANDSローカルスタッフであり農民でもあるジルソンさんの農園。もっとも進んだモデル農場。かぼちゃ、キャッサバ芋、パッションフルーツ、パパイヤ、カカオ、アサイー(アマゾン特産のフルーツ)、チーク(高級木材)、ニーム(薬用にもなる多目的樹)、その他30種類近い作物が植えられている

熱心な農民のアグロフォレストリー実践農地を使って会合をおこない、技術をお互いに伝えあう活動をプロジェクトで推進しています。多くの農民はそれぞれ素晴らしい知識や技術を持っているのでそれを活用し、それを交換し合うことで、技術力の向上を図っています。

資機材支援

エンジンポンプの引き渡し式。 これを使用して下の写真の水タンクへ水を送る

苗袋(厚手のビニール袋で水抜きの穴のあいた苗づくり専用のもの)

水タンク(1トン程度の水を貯めておける)

アマゾンは乾季と雨季がはっきりしていて、乾季はほとんど雨の降らない時期が数カ月続きます。その間の苗への水運びは人力だけでやるのは大変な作業です。そこで拠点となる場所にはポンプや水タンクを支援してきました。

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