• HANDSについて
  • 活動内容
  • 活動ニュース
  • 参加する
  • 寄付・支援する
  • 法人・団体の皆さまへ
HOME > 活動ニュース > 栄養改善事業と それに続く安全な道
活動ニュースケニア

栄養改善事業と それに続く安全な道

 私が青年海外協力隊員としてウガンダの農村部に滞在していた頃、村で気を失った人が病院に着く前に亡くなってしまうという出来事がありました。県内の小さな診療所では対処できず、隣県の総合病院まで、住民の一人が車で送ったのですが、凹凸の多い赤土の未舗装路を中古のセダンで走るので、あまりスピードを出すこともできず、50km程度の距離にある病院に到着するまで2時間近くかかってしまったそうです。せっかく立派な病院が地域にあっても、そこまでのアクセス手段が整っていなければ、救えたかもしれない命を救えないことにもなりかねないのだと、大きな衝撃を受けました。road1.jpg

 HANDSケニアの事業地・ケリチョーにも未舗装路が多く、雨季の激しい雨などの影響で路面に大きな窪みや深い裂け目(カプレラッチのある地点では深さ1.5mにまで達していました)ができてしまうことも珍しくありません。ただ歩きにくいというレベルではなく、雨季に小学生が流されて死亡するという痛ましい事故も数年前に起きたほどです。また、子どもたちは裸足で水溜りを渡ることがありますが、濁った水の底には、外から見ても判らない、蛇やガラスの破片といった危険なものが潜んでいることがあります。

 せっかくHANDSが外務省NGO連携無償資金協力によって幼稚園で栄養を強化した給食提供や発育状態チェック等の事業を行っていても、そこまでの道を子どもたちが通り抜けることができなければ、それらの支援は子どもたちに届かないのです。そこで、HANDSケニア事務所は、特定非営利活動法人 道普請人 COREさん(http://coreroad.org/)のご協力をいただき、日本の土嚢技術を使った通学路補修を行っています。

 記事後半で、通学路補修の担当者の1人であるエルヴィスの記事を要約してご紹介します。彼の文章で私が素晴らしいと思ったのは、通学路補修が栄養向上事業のために必要な活動の一つであるという、目的に対する一貫性をはっきりと持って読者に伝えている点、そして、通学路補修を単純な"HANDSがやってあげる支援"ではなく、技術を学んだ住民たちが今後も自分たちの力で続けていくことのできる、持続性ある活動として捉えている点です。詳細は彼の文章でご確認ください。


road2.jpg ケニアの道路の90%以上が舗装されていません。その多くが、普通より悪い状態か、さらにもう一段階劣悪な状態です。そして、全就学児童の70%以上が一人で学校までの途を歩いて通っていると言われています。幼稚園に通う幼い子どもたちまでが、凹凸の多い、水に浸かったり、泥でできていたりする道を通り抜けなければ、学び舎に辿りつけないのです。

 ソイン・シゴウェット準郡のカプレラチ幼稚園も、そのような問題を抱えていました。通学路の劣悪さのせいで、子どもたちは学習の機会にも、給食や発育測定の機会にもアクセスできないのです。road3.jpg

 そこで私たちは、日本からもたらされた土嚢による道路補修技術を、カプレラチの人々に伝えてきました。HANDSケニア事務所はNGO COREとの協力の元、カプレラチ幼稚園の関係者と共に働き、271mの道路の補修工事を行いました。結果は写真でご覧いただけるとおり目覚ましいもので、人々は成果に非常に勇気付けられたため、工事に参加した全員でグループを結成したのです。 キプクロール自助グループと名付けられた、そのグループの、今後のさらなる活躍が期待されます。

 このような、住民たち自身による持続的な活動が可能なのは、日本の"Do-nou(土嚢)"技術のおかげです。土嚢とは、土を詰めた粗布の袋を意味する日本語で、これを地面に敷き詰めるという工法を使えば、高価な資材も、高度な技術も用いず、人々の労力さえ集めることができれば道路を補修できるのです。

road4.jpg 工事を行った地点では、子どもたちの学び舎への道のりから障害が取り除かれ、子どもたちが教育を受ける権利、そして質の高いケアを受ける機会にアクセスできるようになっていくでしょう。

(Elvis Cheruiyot)

(上)排水用水路を埋設する様子

(右)土嚢の上から土をかぶせ、押し固める。工具を手にするコミュニティのメンバー。