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活動ニュースケニア

ケニアからの最新活動報告

「テゥブテゥネ」

昨年までのプロジェクトの一つの柱であった幼稚園の給食が軌道に乗り、私たちはその中心メニューであるUjiの栄養価の改善に取り組んでいる。

Ujiとは雑穀のさらさらとしたお粥で、幼児や子供の朝食やおやつの定番。食べる物というより飲む物といった感覚のようだ。好まれる味は、砂糖を加えた甘いシンプルなもの。私たちはこのUjiに豆の粉やつぶしたバナナ、ピーナッツの粉や地元産の糖度の高いサツマイモなどを混ぜ、安価なレモン(ライム)で変化をつけるなどし、砂糖を減らし同時に栄養価を高めることを狙っている。

人も家畜も雨の再来を待つ2月。乾いた空気の晴天のある日、イベントのホストを務めるKaptalamwa小学校に、鍋と木べらをもって参集したのは参加幼稚園5校と地元農業局、教育局、保健局、地域の保健ボランティア、そしてHANDS。考案したUjiレシピを持ち寄り、青空の下、調理デモと試食会に臨んだ。薪で調理した自慢のUji。試食会ではレシピ開発の苦労話や自慢話に花が咲き、その後の話し合いでは現場の調理担当者の積極的な発言もあるなど、学校給食が様々な役割の人により実現していることを感じた。

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写真1 地域保健担当官のエラストさん

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写真2 Ujiを片手に

参加団体の一つである農業局チームは、現在推進しているアマランサスの種の粉を混ぜたレシピで試食会に臨んだ。アマランサスはすでにその葉は野菜として食されてはいるが、種の栄養価が見直されている。参加者には農業局からその優れた栄養価や市場価値に関する講義があった。

そんな中、午後の日差しを背中に受けあることが頭をよぎった。私の住むアメリカの昨今のヘルスプロモーションをめぐる世界では、「Scientific」という名の下、「Expert」と呼ばれる人たちが食品の栄養素ばかりを強調。食べ物から切り離された栄養素は一人歩きしているようにさえ思う。食べ物は単に栄養素を運ぶ道具ではなく、伝統や文化であり、喜びであり、他者や社会、ひいては宇宙とのかかわり方を学ぶ手段でもあると思う。たとえ、栄養不良と隣り合わせの厳しい環境にある子供たちを対象にしようと、いえ、だからこそHANDSには、栄養素主義に終始せず食の可能性を意識しながら包括的な食と栄養へのアプローチを忘れないでほしい、と。

突然明るい笑い声と共に私の目の前で「テゥブテゥネ」「うん、その通り(筆者訳)。テゥブテゥネ」という軽快な会話が。長年HANDSの力強いパートナーとして活躍している地域保健担当官のエラストさんと、HANDS事務職員のデボラ嬢のコンビ。彼らの口から「テゥブテゥネ」を耳にしたとき、それが英語なのか、スワヒリ語なのか、はたまたKipsigis語なのか私には全く見当がつかず、「あっ、もしや」と思ったのはしばらく経ってからのことだった。日本語だった。横からプロマネが、昔別なプロジェクトでの試食会で日本から参加したHANDS元職員が、舌触りを形容したときに使用した言葉だったことを教えてくれた。二人はその言葉の響きをやけに気に入り、今でも使うのだという。

農業局のアマランサスの種子の粉の混じったUjiは、「テゥブテゥブ」感というより「ザラザラ」感が今一つだったことを私は大変残念に思いながら、校庭で遊ぶ児童たちに見送られ会場を後にした。

[活動ニュース]