2016年11月23日から25日、第10回母子手帳国際会議が東京で開催されました。 会議では、世界38の国と地域から集まった次世代のリーダーたちが一堂に会し、母子健康手帳が、「女性、子ども、家族、そして社会の誰もが取り残されない世界」を実現するための、必須かつ効果的な医療サービス提供の標準的の手法であることを確認しました。
「だれひとり取り残さない」という掛け声は、2015年9月の国連総会にて採択されました「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」における倫理的規範です。 私たちは、2030年までに貧困を終焉させ、地球を守り、繁栄を促進するという目標を達成するため、いまこそ国際連帯のもと努力することが求められています。
また、2016年8月に開催された第6回アフリカ開発会議で採択されたナイロビ宣言において、「質の高い生活のための強靭な保健システム促進」が3つの重要テーマの一つとして強調されたことを歓迎します。
母子健康手帳は、母親を通して家族によって管理することができるようにデザインされており、妊娠・出産から子どもの健康まで含めた、記入版・電子版の双方で医療記録がやり取りされる包括的なツールです。 日本では1948年に最初に導入されてから70年が経ちました。母親、新生児、子どもそして青少年に対して切れ目のないケアを提供する母子健康手帳は、すでに世界39の国と地域に広がり、必要不可欠なものとして利用されています。 このユニークな取り組みは、人々を中心に据えたアプローチ(people-centered approach)の概念を具現化するものとして、また、これまで日本政府が2016年5月のG7伊勢志摩サミットをはじめ重要な国際会議で強調してきた人間の安全保障の概念そのものです。
今回の会合は、2015年9月にカメルーンで開催された第9回母子健康手帳国際会議で採択されたヤウンデ宣言を受け、母子健康手帳の効果的な開発と実施に関する各国での学びを共有し、母子健康手帳の意義と効果を検証し、21世紀におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成を推進するための戦略を話し合う貴重な機会となりました。
最後に、第10回母子健康手帳国際会議のすべての参加者は以下の提言を満場一致で採択しました。
以下の番組で、世界の母子手帳が紹介されます。
●2017年1月17日(火)NHK「あさイチ」(8:15-9:54)
9:00前後に、去年の6月に同じくNHKで放映されたベトナムの母子手帳取材の
映像が再度紹介されるそうです。
HANDSからは、世界の母子手帳に関する情報提供と、スタジオで出演者の皆さんに
手に取って見ていただくように母子手帳の貸し出しでご協力しました。
●2017年1月23日(月)テレビ東京「未来世紀ジパング」(22:00~)
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/next/#section1
テーマは「日本の医療が世界を救う!」
一部にて、JICAが実施していたベトナムの母子手帳普及支援事業が取り上げられます。
HANDSには、「日本の最初の母子手帳」そして「最新の母子手帳」が無いかと問い合わせがあり、
手配協力しました。
「アフリカ」と「医療」をテーマに、NPO法人ロシナンテスの川原尚行先生と、 HANDS代表の中村安秀によるトークセミナーを開催します。
川原先生は長年スーダンで活動を続けてきたご経験から、中村はケニアやスーダンでの HANDSの活動経験から、アフリカでの医療について掘り下げます。
今回は大阪・梅田での開催とあり、地元の勉強会グループ「ぼちぼちの会」と、
大阪大学の学生さんが運営をお手伝いしてくださっています。
また本イベントは、「Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカ2016」の助成で実施します。
2016年11月23日―25日に、「第10回母子手帳国際会議」(International Conference on MCH Handbook)を 国連大学ウ・タント国際会議場(11月23日)およびJICA市ヶ谷(24日・25日)で開催しました。
主催は国際母子手帳委員会(委員長:中村安秀)と大阪大学大学院人間科学研究科、
共催として、独立行政法人国際協力機構(JICA)、ユニセフ東京事務所、国連人口基金(UNFPA)東京事務所、
そして認定NPO法人HANDS。
多くの学術機関団体・民間企業・個人から、後援・協賛・寄付をいただきました。心から感謝いたします。
世界38の国と地域から約400名が参加する大きな会議となり、母子手帳を通じた母子の健康改善をめざす 世界的なネットワークの構築に大きく貢献することができたと言えます。
2016年11月23日~25日、第10回母子手帳国際会議を開催します。
HANDSは共催団体として、本会議の運営を担当します。
準備で多忙を極めている間に、あっという間に定員に達してしまい、
参加申込の受付を終了いたしました。
いつもHANDSを支えていただき、誠にありがとうございます。
このたび長年にわたり住み慣れた文京区を離れ、
7月1日から渋谷区の事務所で活動をすることにいたしました。
今後も、「保健医療の仕組みづくりと人づくりを通じて、
世界の人びとが自らの健康を守ることができる社会の実現をめざす」という
HANDSのミッションとともに、相手国の人びととともに活動を積み重ねていく所存です。
また、長年にわたり重責を担ってきた横田雅史事務局長が退任し
理事に専心することになったことに伴い、
代表理事の中村安秀が事務局長を兼任することになります。
現行プロジェクトのパプア・ニューギニア事業、ケニア事業、母子手帳に関連する活動など、
HANDSとともに活動することを期待してくれる人びとが世界中にいることがありがたいです。
これからも、HANDSへの応援を何とぞよろしくお願いします。
認定NPO法人HANDS 代表理事
中村安秀
(新住所)
〒151-0063
東京都渋谷区富ヶ谷2-41-12 富ヶ谷小川ビル2階
http://www.hands.or.jp/about/access/
TEL: 080-7999-4986(NTT回線が新設されるまで)
パプアニューギニア事業のプロジェクト・マネジャー、寺田美和の
インタビュー記事を【医師のための転職・開業支援サイトDtoD】に掲載いただきました。
『HANDS ― 黒子に徹して保健の仕組みづくりを進め、いのちの格差をなくす活動 ― 』
~前編~ https://www.dtod.ne.jp/journal/article35.php
~後編~ https://www.dtod.ne.jp/journal/article36.php
ぜひご覧ください!
ケニアの伝統的な台所は、three stonesと言われる、鍋の支えとなる3つの石の真中で薪に火をつけるもの。室外でも簡単にできますが、室内でこれを行うと、煙がもうもうと立ち込め、慣れない人はたちまち目から涙がボロボロ、10秒と中にいられません。
ケニアの主食ウガリを作るかまど。火が立ち上がり、煙が充満する台所
今年2016年は、日本や中国では丙申(ひのえさる)の年。Fire monkeyの年です。
新年早々、今年の抱負が話題になったケニアでは、Fire monkeyと言うと、皆さんに大いに笑われてしまいました。ケニアでは、おサルさんは身近な存在ですが、年のシンボルにはならないようです。
スタッフアパートのベランダに時折訪れるお猿さんたち
ケニア国内担当の平野です。
先日「GGG+フォーラム2016:G7サミットとグローバル・ヘルスの課題」に出席をしましたので、ご報告です。
今年5月にG7伊勢志摩サミットの開催されますが、安倍総理が保健分野をサミットのアジェンダとして取り組むことを表明したことを踏まえて今回フォーラムが開催されました。国際保健に関わる幅広いステークホルダーが参加し、G7へ向けて活発に意見交換がなされました。
「GGG+」とは、Global Fund(グローバルファンド:世界エイズ・結核マラリア対策基金)、Gaviアライアンス、GHIT(グローバルヘルス技術振興基金)をはじめ、WHOや政府関係者が集まる会合を意味するようです。
【写真:イベント配布物】