• HANDSについて
  • 活動内容
  • 活動ニュース
  • 参加する
  • 寄付・支援する
  • 法人・団体の皆さまへ
HOME > 活動ニュース > 2/21「アフリカの医療について考えたこと」報告(2)
終了したイベント

2/21「アフリカの医療について考えたこと」報告(2)

2017年2月21日、大阪の国際保健勉強会サークル「ぼちぼちの会」との共同セミナーの
「アフリカの医療について考えたこと」
 (主催:ぼちぼちの会、認定NPO法人HANDS、認定NPO法人ロシナンテス)

報告第2弾(スピーカー発表後半部)です。

報告(1)スピーカー発表前半部はこちら

●パネル・ディスカッション「アフリカで医療について考えたこと」
●中村安秀(認定NPO法人HANDS 代表理事)

20170221_P1100359_sm.jpg

中村代表は、プロジェクトを通じて、短期で6度ほど、スーダンを訪問しました。
そのスーダンはじめ、ケニアなど他アフリカでの体験を通じての考えを発表されました。

まずはミレニアム開発目標(MDGs)が掲げられた15年(2000-2015年)が
保健医療分野(子どもの死亡率の削減、感染症死亡の削減など)において、
乳児死亡率の半減などの華麗なる成果を見せたことが話されました。
中村代表も2000年当時は、「エイズの治療は無理ではないか」と暗い気持ちで
アフリカから帰国されていたそうで、いまの治療薬の開発が画期的であるとのことです。
しかし、それでもアフリカはまだ格差と戦っています。

●世界医師会(WMA)会長就任演説( 2015 年10 月) by サー・マイケル・マーモット

「問題の一つは貧困です。もう一つは不平等です。
 ともに健康を損ない、健康の不公平な分配につながっています」

「多額のお金があるにはあるのです。各国間の大きな不平等のせいで、
 貧困者に恩恵をもたらすやり方でお金が使われていないのです」

2015年に世界医師会でのマーモット氏の演説。
タンザニアの25万人と世界の富豪の25人との所得が一緒であると、セレブの立場から言われた
そのぐらい世界は理不尽になったと、中村代表は大変な衝撃を受けました。

※マイケル・マーモット氏は、Social Determinants of HealthというWHO大規模調査チーム(2008年)の
リーダーを務め、教育や貧困といった社会的要因が世代を超えて健康に大きな影響を与えている状況を
エビデンスをもって示されました。
(演説の全文は日本医師会Webサイトにて公開されています http://www.med.or.jp/jma/international/wma/003453.html

そして誕生した「17の持続可能な開発目標(SDGs)」。
世界中が集まり決めた持続可能な開発目標の理念は「誰一人取り残さない(Leave No one behind)」。
世界は格差に満ち溢れ、こんな目標を達成するのは難しいが、こんなことを言わなきゃいけないほど、
世界は格差に満ち溢れている、と熱く語る中村代表。

20170221_P1100587sm.jpg

●HANDSのスーダンでの活動

次に、2000年に設立されたHANDSのスーダンでの活動を少し紹介。
「自分たちでやるのではなく、仕組みづくりと人づくりをやっていきたいと色んな活動をして、
 その一つとして、マザーナイルプロジェクト(JICA技術協力プロジェクト)があります。
 スーダンは伝統的助産師、お母さんが家族と自宅出産することの多い現状のなか、
 村落助産師さんは小学校卒業が半数、字が書けない、レポート書けない、そうゆう人たちを
 トレーニングして、お産をしてもらおうと、セナール州というところでやりました。」
そして、ファティーマさんという村落助産師(Village Midwife)との病院での出会いのエピソードが紹介されました。

「「胎児の体位が心配だったので病院に連れてきた、これから帰る」と言って、
 村のたった一人の医療者が、搬送しようと言ってもお金はかかるし、タクシー代は誰が払うのか、
 おばあちゃんは反対する、それを押し切って病院に連れてくる。簡単な話ではない。
 それができるのは村で信頼されるファティーマさんだからこそ。
 村落助産師が言うからみんなが納得して連れてきて、そして母子ともに元気になれて。
 そんな簡単なことではないが、そんな村落助産師がいることが素晴らしい。
 WHOではこのような人を認めない。字が読めない人。高い技術を持った人がこのような村に
 残ってやってくれるか、というとそうはいかない。
 国連の制裁を受けるようなスーダンだからこそ、このような村落助産師が活躍できる余地があった。
 そこを少し私たちがお手伝いさせていただいた。そんな気持ちです。」

●アフリカの医療について考えたこと

本イベントのテーマについて、中村代表は幾多のアフリカ諸国訪問、
医療者や住民、様々な人たちとの触れ合いを通じて、以下の4つの視点を挙げられました。

1)医療は文化である(医学は世界共通)
2)当事者であることの勁(つよ)さ
  (コミュニティーの矜持、機動性としたたかさ)
3)よそ者としての役割
  (黒子に徹する、ラインの外だからこそ動ける)
4)プライマリヘルスケアの再確認
  (自立と自決の精神:self-reliance and self-determination )

医療は日本でやってるものと、アフリカでやっているものは違う。
医療は文化である。
当事者であること、自分たちのコミュニティを何より大事にしている。
個人だけでなく相対としてのコミュニティを大事に考える。
よそから来たよそ者としての役割、黒子に徹する必要がある。
しかしよそ者だから卑屈になる必要はない。ラインの外だからできることがある。
運転手とも仲間だし、大学の学長とも友達になれる、住民とも友達になる。
ラインの外だから、だれとでも友達になれるのはよそ者だからこそ。
プライマリヘルスケアの再確認。
1971年にアルマアタ宣言でできたプライマリヘルスケアの中で、
自立と自決の大事さ、コミュニティの人たちが自分でできて、自分で決める大事さ。

どこであっても、そこに住んでいる人たちのことを何より優先的に考えてきた
中村代表ならではの金言の数々でした。
参加者の皆さまの大きくうなづく様子も印象的でした。

最後に、どこまでも謙虚に、
「アフリカの人たちが自分たちで決めてやっていくことをお手伝いできたらいいなと思います」
と締めくくられた、中村代表の発表でした。

※中村安秀代表、川原尚行先生、小西かおる先生のトークセッションへ続く。

[終了したイベント]