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2/21「アフリカの医療について考えたこと」報告(1)

2017年2月21日、大阪の国際保健勉強会サークル「ぼちぼちの会」と共同し、
セミナーを開催しました。スーダンで活動する認定NPO法人ロシナンテスの
川原尚行理事長と、HANDS代表の中村が、膝つき合わせ、アフリカで保健医療活動を
実施しているうえでの悩みや発見、学びなどについて語り合いました。

川原先生の高校の同級生でもある大阪大学の小西かおる教授も、
スーダンを訪問して行った調査結果、普段専門とする日本での地域ヘルスケアの
観点から感じた共通点や相違点など、お話くださいました。

「アフリカの医療について考えたこと」
 (主催:ぼちぼちの会、認定NPO法人HANDS、認定NPO法人ロシナンテス)

【日時】2017年2月21日(火)18:30-20:30
【会場】大阪市立大学文化交流センター 大ホール

<プログラム>
(1)スーダン学術調査報告:小西かおる大阪大学教授ほか
(2)パネル・ディスカッション
   「アフリカで医療について考えたこと」(60分)
    川原尚行(認定NPO法人ロシナンテス 理事長)
    中村安秀(認定NPO法人HANDS代表・大阪大学教授)
(3)質疑応答(30分)

P1100790_cut_sm.jpg当日集まった80名のうちの一部の参加者たちと

●小西かおる先生(大阪大学大学院医学系研究科地域ヘルスケアシステム科学研究室)
「Maternal and Child Health Education (MCHE) in Sudan」

小西先生は普段大阪大学で、難病医療ネットワークシステムや災害時の支援体制の構築、
健康づくりの地域づくり・街づくり、在宅ケアにおける感染制御などのご専門と経験を活かし、
同級生でスーダンで活動されている川原先生のお手伝いができないかと考えられています。

その一環で行われたスーダンでの調査活動について発表されました。

小西研究室では、以下の調査活動をされました。
 1)母子保健を通じヘルスマネジメント能力育成をめざした健康教育
 2)タンザニアにおける水関連の研究
 3)スーダンにおける水関連の研究

小さなコミュニティが点在するスーダン。
各村々は、人口1000人ぐらいで、小学校1校、電源なし、水源は井戸、村落助産師1人。
3000人規模でも、中学校なし、電源なしという状況。

周産期死亡率、新生児死亡率が高い原因のひとつに、出産予定日や妊娠週数が把握できて
いないということがあるのではないかと考え、日付をどう認識しているかを尋ねたところ、
「月の満ち欠けでわかる」と言う。でも実際に「今日」にシールを貼ってもらうと間違う。
水の衛生状況も不安。

女性が集まる場所、巡回診療などの健診に来たタイミングで、
その都度、今日は何日かを伝え、月経カレンダーをつくって少しずつ認識してもらえるような
そんな試みができるのではないか。これまでの地域づくりの経験を活かせないかと
色々とアイデアを膨らませておられました。

また実際、現地の大学と部局間学術協定を結ばれたそうで、
ロシナンテスとの活動協働、学際的な視点で活動の評価や効果を見ていきたいとも語られました。


●水班「タンザニア連合共和国および スーダン共和国での「生活水」 の細菌学的調査結果」

続いて、小西研究室の白井文恵先生と大学院生の堀池さんから、アフリカ2か国での水と、
住民が水くみにつかう容器の細菌学的調査の結果が発表されました。

タンザニアでは日本企業による大型の水質浄化装置が使われており、
実際に、川から汲み上げられた水は、細菌学的には「安全な水」と言える状態になっていたそうです。
しかし、そこから住民が自宅まで水を運ぶときに使う容器、ここには問題がありました。

また細菌が発見された容器のある位置と水源の位置を見ての関連性なども観察された
興味深いアプローチについても、結果を共有いただきました。

P1100349_sm.jpg

●パネル・ディスカッション「アフリカで医療について考えたこと」
●川原尚行(認定NPO法人ロシナンテス 理事長)

川原先生は外科医として直接医療支援から始まった活動から、地元の政府と一緒に活動するスタイル
に変わっていった長年の経験をお話くださいました。
診療所、井戸、学校を建てるのも、地元政府と一緒に実施。
建物に魂を込めるためには、地方行政や地域に協力してもらい、地域の人たちに
受け入れてもらうことが重要とのこと。

学校の卒業生は4人。そのうち2人が国連が隣に立てた高等教育学校へ進学できた。
0が2人になること、これは大きい!
イスラム教の保守派の文化で、女性が教育を受けることも、将来女性が活躍していくような
社会をつくっていくには大事であると、長い目でみて、一歩ずつ着実にモデル村をつくる方法を取られています。

全てが整った村は、村人と一緒に政府に陳情に行き、電気を通してもらった実績も持ちます。
村の人がよく「診療所が最初にできた。最終的には電気が来た」と言われるそうです。

ワクチン接種では、おかあさんの中に副作用を心配して、拒否する人もいます。
とくに年配のおばあさんの意見は絶対であるため、お母さんに伝えたい内容をお母さんだけに
健康教育しても効果がなく、旦那さんも、おばあさんも含めて、村の人全員にヘルスプロモーションをしています。
(このあたりは、HANDSも同じ手法です)

村落助産師さんは、子どもの心音をトラウベという伝統的なツールを使って聞く。
1分の感覚が分からず、正しく測れていないのが実態。
聴診器の音をスピーカーで出して、一人でなくみんなで聴けないかという発想から
大阪の医療機器メーカーにお願いして機器を開発してもらい、これから実証実験もされるとか。

村にもスマートフォンユーザーが増えていることで、スマホを使って遠隔医療などに
応用することも想像されておられます。

最後に、ロシナンテスモデルをもっと広げていきたいという大きな夢と、
反対に今のスーダンでの活動が、日本の離島医療などにも応用できるのでは無いか、
といった日本への還元についても触れておられました。

P1100356_sm.jpg多くの参加者が川原先生の熱のこもった話を真剣に聞いていました


後半の、中村代表の話と、小西先生と川原先生を交えた3人トーク&質疑応答は、
次編でご報告します。

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