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活動ニュースブラジル

アマゾンでの14年間の活動をふりかえって

ブラジルプロジェクト・マネジャーの定森徹です。
多くの皆さまに支えられ、ブラジルのアマゾン奥地、マニコレ市で14年間活動を続けてきましたが、2015年6月をもって、HANDSのブラジル事業は終了します。

皆さまの励ましは大きな力になっていました。
最初の頃をご存じない方もいるかと思いますので、最後に、この14年間の軌跡をご紹介します。

●活動の始まり

2001年、アメリカにあるHANDSの姉妹NGO「Management Science of Health(MSH)」から声がかかり、私、定森は初めてマニコレを訪れました。 そしてマニコレ市の人々ともに、MSHは病院/保健センター改善を、HANDSは保健ワーカー(CHW:Community Health Worker)を通じた地域保健改善をそれぞれめざして、活動が始まりました。

保健ワーカーへトレーニング

それから14年、HANDSのマニコレ市での活動は、内容面でも物理的にも大きな広がりを見せました。保健ワーカーへのトレーニング、彼らのコミュニティ内での活動サポート、カトリック教会の保健ボランティアとの協働などから、次第に地域リーダー育成へと発展し、多くの地域人材の育成をおこなってきました。

地域リーダーの担い手である若者グループが主導し開催するイベントには、コミュニティから老若男女が勢ぞろい。劇を通じた保健教育は人気のコンテンツ(写真はマラリア/デングを伝える劇)

飲料水の消毒の必要性を伝える教材(バナー/ポスター)

また、村々にある学校の先生たちと保健ワーカーの活動を橋渡しし、学校での保健教育の充実につなげました。そういった現場に入り込んだ活動を続けていく中で浮かび上がってきたのが、経済的にも環境的にも持続可能な形での収入向上でした。

●持続的な健康をめざし、活動を発展

積み重ねてきた保健知識の向上によって、トイレが増え、飲料水の処理も進み、ある程度の健康状態の改善が見られました。しかし、お金や十分な食料が無ければ、持続的な健康は得られません。

そして行きついたのが『アグロフォレストリー』の普及活動でした。アグロフォレストリーは、従来のキャッサバ芋やスイカなどと並行してバナナ、パッションフルーツ、カカオなどの果樹やアンジローバなどの薬用油や材木になる樹を植えていく手法です。

単一栽培物の半自給自足によって、限りある収入や、野菜や果物の摂取が十分でない偏った食生活が改善されることを期待しました。そして、農家としての自信と誇りを得ることは、次世代を担う子どもたちの希望にもつながると考えました。

モデル農家のミゲルさん(2015年3月)。素晴らしいアグロフォレストリー農園ができた。
プロジェクトによる指導で低コストでバナナの苗を大量に作ることにも成功

2012年からは活動範囲をマニコレ市から、近隣のノボアリプアナン市、ボルバ市へも広げました。マニコレもそうですがこれら2つの市も非常に大きく、この3市を合計すると日本の3分の1ほどの面積にもなります。

活動パートナーも広がり、マニコレ市保健局だけとの合同だったプロジェクトが、現在では3市の保健局、農業局等の他、地元教会ボランティアグループ、若者グループ、IEB(ブラジル教育インスティチュート)、FAS(アマゾン持続開発財団)、アマゾナス州保健局/農業局、SEBRAE(ブラジル中小企業振興機関)、CEPLAC(ブラジル連邦農業省カカオ院)他、多くの組織とネットワークを作り上げて活動を行ってきました。

ここまで多くの協力者を得て、活動を広げて来られたのは、日本のHANDS会員/支援者/ボランティアの皆様、JICA、外務省/在マナウス日本領事館、味の素、LUSH、ホンダやヤマハなど、多くの日本からのご支援があったからこそです。心から感謝いたします。ありがとうございます。

●活動終了にあたり

外国から来たNGOの活動が、それぞれのフィールドで永遠に続くことはあり得ません。HANDSとしてもどのような形でブラジルでの活動を終了するか、何を達成することで活動を終了させるかについて内部で多くの議論が行われました。

その結果、保健からコミュニティ、教育、農業と広がりを見せたプロジェクトのなかで、最後に始めたアグロフォレストリーがある程度の成果を得て「HANDSが活動を停止しても続くだろう」と判断された時点で、HANDSのブラジルでの活動を終了することとしました。

その後、2014年前半期の大水害で大きな被害が出たため活動を継続する案も出されましたが、水害後の復興が比較的順調に進んだこともあり、JICA草の根技術協力事業としてのプロジェクトが終了する2015年6月をもって、HANDSとしてのブラジルでの活動は終了いたしました。

保健ワーカーとの活動の今後・・・
地域保健人材として重要な保健ワーカーは、活動開始当初は行政からあまり期待されていませんでした。しかし現在は月例トレーニングの開会に必ずマニコレ市の副市長や保健局長が来て挨拶をするほど重要視され、HANDSの活動終了後にもトレーニングは継続されます。
元保健ワーカーで、HANDSスタッフとして長く活躍してくれたジルソンさんは、長年の経験が買われ、連邦政府と州政府の予算で建造されてマニコレ市に送られてきた巡回診療船(ブラジルで2隻目)の運用責任者となりました。今後も農村部の保健ワーカーと連携しながら、巡回診療船での活動も軌道に乗せてくれることでしょう。

元スタッフらで結成されたNGO「IDEAS(アマゾン持続開発インスティチュート)」・・・
彼らはいま様々なブラジル国内の助成金へ応募しています。自分たちで活動を継続しようと本気でがんばっています。他にもエイズ啓発活動をおこなうNGOや、がん患者のサポートと小児がんの早期発見のための啓発活動をおこなうNGO、他組織と連携しながら、地域での健康意識と連帯の環を広めていきます。

アグロフォレストリーの活動・・・
多くのモデル農家がアグロフォレストリーを実践し始めました。その成果もあってか、農業省カカオ院の他、アマゾン持続開発財団、ブラジル中小企業振興機構など地元機関がたいへん積極的にアグロフォレストリー普及支援関連の活動を始めています。今後はカカオなどを中心としたアグロフォレストリー普及活動と、加工事業の開発が続いていきます。

私自身は今後も、マニコレでの活動をサポートしていきます。そのためHANDSを応援してくださる皆さまと、アマゾンとの縁は今後も続いていきます。いずれまた、その後のアマゾンの人たち、活動の様子をお伝えします!

これからも応援いただけますようお願いします。

ブラジルプロジェクト・マネジャー 定森徹

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