ケニアからのCOVID19 現状報告記事 

みなさま
新型コロナウィルス警戒態勢状況下でのケニアで、HANDSケニア事務所のプロジェクトオフィサーである、兼松結(かねまつゆい)が現地での体験を日記風にまとめましたので共有させて頂きます。兼松は今年2月にケニアに派遣されたのですが、新型コロナウィルスの影響により4月上旬に一時帰国を余儀なくされました。ケニアの現地市民の様子がよくわかる記事だと思いますので、ぜひご一読ください。

『COVID-19とHANDSケニア』 兼松 結

2月18日(火)

ケニアに入国。ジョモ・ケニアッタ国際空港の感染症対策は非接触型体温計で体温を確認された以外はとくになし。

2月23日(日)

 HANDSのケニア事務所があるケリチョーの町中で「ケニアにコロナを広めるために中国から来たのか」と声をかけられる。

3月8日(日)

 欧州でも感染者が増え、ケリチョーでもCOVID-19について話す人々が増えた印象。「俺たち黒人は皮膚が強いからコロナにはかからない」という風説を聞いた。

3月11日(水)

 WHOがパンデミックを宣言。私はVISA延長のため、陸路移動で約5時間かかる首都ナイロビに出張したが、とくに感染対策は目に付かなかった。「黒人はコロナにはならない」という風説を再度聞く。

3月13日(金)

 ケニア国内で初の感染者が見つかる。

 事務所内で勉強会を開く。公衆衛生の知識のある職員がウイルスの特徴や感染防止方法を説明。また、感染すると何%程度に症状が出、何%程度が重症化するのかといった情報も共有した。農村部ではCOVID-19にかかると全員が死ぬといったデマも流れており、このような冷静な情報をHANDSスタッフが周囲に広めていくのは意義深いことだと思われた。

 他、人々の間に広まっているデマ・噂としては、新型コロナウイルスが手の皮膚から体内に入るというもの(手指の消毒が強調されているせいか)、咳をしているアジア人が町で見つかったので無理に病院につれていって検査をさせたらCOVID-19陽性だったというもの、アルコール飲料を飲めば体内のウイルスが死ぬというもの、また、バイクタクシーに乗っている間は風圧でウイルスが後方に流れ去るので感染しない、というものがあった。

3月16日(月)

 全国の学校が閉鎖に。また、1人目の感染者と接触した人々3人の感染が確認された。デマの流布を防止するため、公的機関の発表と一致しないCOVID-19情報を発信した者は逮捕されるとのこと。実際、SNSでそのような情報を流した学生が逮捕された。政府から発表された、感染防止のためのフライヤー・ポスター画像を事務所内で確認。手洗いや咳エチケットが主だった。

 多人数の集まる集会も禁止されたため、今後のワークショップ等開催について再検討。参加者が大人数にのぼる予定は無かったため、会場内のソーシャルディスタンス等に配慮して、様子を見ながら実施することに。無用な不安感を抱かせる恐れから、マスクの着用については見送った。

3月17日(火)

 学生同士、または迎えの親と一緒に自宅に向かう寮生の高校生を町で大勢見た。

銀行の入口に簡易蛇口付きの水タンク(※手を洗った後で水を止めるためにタンクの栓に触らなければならない)とハンドソープあり。訪問者全員に手洗いが求められた。

3月18日(水)

 事務所内の感染予防についてのミーティング。事務所敷地の門に手洗い設備を置くこと、事務所・車輌に手指消毒用アルコールスプレーを置くことが検討された。

3月19日(木)

 手洗い、咳エチケットを強調する政府のリーフレットに加え、栄養バランスの良い食事や充分な休養によって免疫力を高めることで感染リスクを下げようというメッセージを地域に発信できないだろうかと事務所内で検討。4コマ漫画を活用した視覚教材を開発するも郡の保健課オフィサーに「公的機関以外が独自のCOVID-19情報を発信してはいけない」というルールに触れかねないのではと指摘される。

 郡の保健課の入っている建物は黄色テープで入口を封鎖して一般の来客を断っており、アポイントをとっていた我々は手指をアルコール消毒した後に中に通された。

3月20日(金)

 COVID-19ホットラインがケリチョーにも設置される。かけてみた人の話だと、回線が込み合っているのか、繋がらないとのこと。

町中の店からハンドソープが売り切れ、入手できなくなる。消毒用アルコール は在庫あり。

スーパーマーケットや飲食店、小型乗り合いバス・タクシーのほぼ全てが、入口に手指消毒用アルコールを備えつけ、警備員や荷物預かりのスタッフ、運転手が来客全員の手にスプレーするように。中には、消毒用アルコールが入手できなかったのか、茶色がかったべとべとする液体を来客の手にスプレーしているスーパーマーケットもあり、刺激臭などから、アンモニアベースの消毒液ではないかと思われた。

3月23日(月)事務所敷 地の門に手洗い設備を設置。ハンドソープが無いため、固形石鹸をカバーと共に吊るした。事務所内、共有部の清掃時にアルコール拭きを始める。

3月24日(火)

 NGOを管轄する政府機関である、NGOボードが閉鎖との情報。NGO職員の就労ビザの申請には、NGOボード発行のレターが必須である。

3月25日(水)

 国際線の旅客機がすべて運行取りやめになる。

タクシー運転手が消毒液にグリセリンを混ぜたものを使っていた。アルコール濃度が保てているのか不明。

 スーパーマーケットではレジ付近の床に間隔を保つための目印が付けられた。また、レジ係など、マスクをしている店員がよく目につくようになった。

3月26日(木)

 ナイロビ以外でも感染が見つかる。カジアド郡を含む4郡。ケニア国内で初のCOVID-19による死亡者が確認される。

 HANDSケニア事務所で最初の一人がテレワークを開始。以降、準備が整った職員から順次テレワークを始め、31日に事務所全体がテレワーク体制となった。

3月27日(金)

 夜間(19時以降、翌朝5時まで)外出禁止令が出る。

 翌週から、基本的には事務所全体をテレワークとする方針になり、スカイプミーティングの予行演習等を行った。

 また、通勤時の感染リスクを下げるため、運転手の一人に事務所に泊まり込んでもらうこととなった。

3月31日(火)

 在ケニア日本国大使館より「帰国を至急検討してください」との領事メールが届く。

4月2日(木)

 一日20人程度の新規感染者が発生するようになり、ケニア国内の感染者数が 100人を超えた。

4月3日(金)

 銀行では屋外に間隔をあけた待機列、手洗い設備、非接触型検温あり。

韓国大使館のチャーター便の席を確保。

4月6日(月)

 大統領令により、ナイロビ、モンバサ等の都市間移動が禁止される。

 私は早朝に、ケリチョーから陸路移動で約6時間のジョモ ・ケニアッタ国際空港へ移動したが、とくに検問が見当たらず。途中ナクル辺りで路上取り締まりの警官にマスクを着用するよう言われる。空港敷地内に入る前にはタクシー運転手が使い捨てのラテックス手袋を付けた。空港に入る時はこのような装備が求められる、とのことだった。空港ゲートのすぐ内側では、3、4人のスタッフが農薬散布機のような器具で舗装路面を消毒していた。

空港ビルは人気が無く、職員は全員がマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保ってミーティングを行っていた。乗客も2mの間隔を開けて列を作るよう指示される。

4月7日(日)

 カタールのドーハ で乗り継ぎ、成田空港着。感染の拡大した国からの到着者と、そうでない者に分けられて降機。私は後者になり、非接触型検温と問診のみで検疫を終える。空港内泊。

4月8日(月)

 千葉の待機先ホテルに移動。14日間の自主隔離を行った後、帰宅。

終.

最後までご一読頂きありがとうございました!!

HANDSスタッフ一同


この記事について

このページは、handsadmin2が2020年6月18日 16:37に書いた記事です。

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